1 富士登山者の大敵、高山病
富士山五合目(吉田口)からの登山者は毎年約20万人ほどですが、そのうち3人に1人は高山病になると言われています。高山病になってしまった時の対策として水分をとる、風船を膨らませるなど数々の対策法が挙げられていますが、万人に効果のあるものはなく、最終的には下山しないと治らないことのほうが多いようです。高山病にならないように高2,305mの五合目の高さで時間を使って体を慣らす(高度順応)ことが大切です。
2 富士山五合目で快適な「高度順応」
五合目では、荷物の整理だけして約30分ほどで登りはじめる方もいらっしゃいますが、高度順応は2~3時間がおすすめです。時間がもったいない!と思うかも知れませんが、せっかくの富士登山を高山病で途中リタイアという苦い経験で終わらせないためにも、荷物だけでなく体の準備もしっかりと行いましょう。夏でも夕方になると冷たい風が頬にあたる五合目では2~3時間外にいると体が冷え切ってしまいます。雲上閣では富士山五合目で唯一、休憩用として使える個室のカプセルホテルを用意しています。しっかり休んで体を富士山仕様にしていきましょう。
3 体も装備も準備万端で出発しよう
体も装備も準備が整ったら、登山計画書を提出し、富士山五合目にある小御嶽神社で安全祈願をしていよいよ出発です。高度順応も終えて、最初は足取り軽く歩くことができると思いますが体力のあるうちから、通常の半分くらいのペースでゆっくりと歩くことでこの先高度が上がっても高山病を回避できる確率があがります。イメージは同じタイミングで登山を開始したグループからどんどん抜かれていくくらいがおすすめ。ゆっくり、一定のペースで登っていくと後半は逆に前のグループをどんどん抜かしていくようになります。日本一高い山、富士の登山を快適に楽しみましょう。