富士登山がキツイのは、身体が高度順応していないから。 前日ゆっくり五合目に泊まって、ぐっすり睡眠をとってから、翌日スタートすれば快調に登れること間違いなし。 ベテラン登山者のお薦め登山術です。
Bコース 雲上閣と山頂に宿泊、2泊3日で余裕の安心プラン
1日目
五合目に早めに到着して、足慣らしをかねて御中道と奥庭の散策をしてみよう。御中道は富士山の裾野をぐるっと結んだ富士請が栄えた当時からの道で、御中道から上は神の聖域、御中道から下は人間界の世界とされていました。スタートはスバルライン五合目の雲上閣の脇の階段から、道標もしっかりしているので迷うことはありません。整備された石畳の道を進みカラマツやコメツガ、シラビソの針葉樹の森をゆっくり歩きます。この御中道が富士山の森林限界にもなっています。
休業中の奥庭山荘に出たら大沢崩れに行く御中道コースからスバルラインの奥庭バス停に向かって右に降ります。スバルラインに出たら反対側のバス停に渡ると、奥庭への下り坂があります。しばらく降ると奥庭荘が出てきます。
奥庭荘の前は天狗の庭と言われ、あまりにも景色が良いので天狗が遊んだという由来があり、「天狗岩」が祀られていおり小さな鳥居も立っています。奥庭は風雪に耐えた樹齢700年以上のカラマツ、コメツガ等が矮小化して自然庭園のようになっていて一周できます。今日の足慣らしはこのぐらいにして、雲上閣に戻りましょう。バスが来ればバスに乗って戻っても良いし、来た道を歩いて戻っても良いでしょう。
2日目
今日の行程は山頂まで。雲上閣できちんと朝食を取ってからゆっくりスタートとしましょう。朝のすがすがしい内に歩けるのがさわやかで嬉しいです。明るい午前中の時間差登山なので、ゆっくり安全に登山を楽しめます。途中休憩しながら山頂をめざしましょう。 ※山頂までの行程は「1泊2日編」で詳しく紹介しています。
五合目を出発してから休憩をはさみながら、6時間程度で山頂に到着するのが標準的です。朝ゆっくり出発しても時間はたっぷりあるはずです。無事に山頂に到着し、久須志神社の参拝を終えたら今日宿泊する山頂の小屋に入りましょう。体力に余裕があれば、駿河湾から伊豆半島、関東平野の広がり、北アルプスや日光連山まで大展望がひらけるお鉢巡りにトライしてみましょう。天気に恵まれれば絶景のコースです。
お鉢巡りはどちらから回っても一周、約一時間から一時間半ほどです。残雪がびっしりへばり付いている火口壁や、「日本最高所」の剣ヶ峰の標識、夏の間だけ営業する山頂郵便局などを見られます。山頂郵便局から投函すれば富士山頂の消印が押されて郵送されますので記念に投函してみてもいいかもしれません。
3日目
御来光の時間にはとても寒いです。防寒着と手袋を忘れずに御来光を待ちましょう。山頂に泊まっている特権を生かしてゆっくりカメラを構えることができますのでしっかりカメラを固定して手ぶれをしないように日本一の御来光を撮影するのはいかがでしょうか。
さて、ご来光を満喫したら下山の準備に取りかかりましょう。ご来光直後の下山は混み合うので、譲り合いなら気を付けて下山しましょう。山頂から五合目までの下山は約3時間半。3日目で体も疲労しているので途中の休憩や栄養補給がポイントです。
落石防止のシェルターを通り、ダケカンバの林を通りすぎたら六合目はすぐです。佐藤小屋との分岐を過ぎ、登りと同じ道をたどれば五合目です。
無事に五合目まで下山してきたら雲上閣で、コケモモアイスで英気を養っても良いし、渇いたのどにビールをグイとやるのも良いと思います。
※コースタイムは人によって大きく違います。あくまでも参考タイムです。
本ホームページ内の情報について
- 本ホームページ内の行動時間(歩行時間)等については、一般的な登山者(ビギナー)を想定していますが、各自の体力・経験、気象条件によっても大きく変わります。あくまでも目安と考えてください。尚、コースタイムには休息時間を含みません。
- 実際の登山の時には国土地理院の25000分の1の地形図等をお持ち下さい。尚、時期によっては山小屋がまだオープンしていなかったり、閉店してしまっている場合もあります。地元の情報をご確認の上、登山して下さい。
- 登山ルート、及び登山口までのバスルートは自然災害等によって閉鎖されたりする場合もあります。必ず事前の情報をご確認下さい。
- 登山中に発生した事故、アクシデント等に対して、本ホームページは一切責任を負いかねます。登山は自己責任でお楽しみください。